エンジニア年収アップブログ

エンジニア転職で年収が下がった?原因と回避策を徹底解説

「転職したら年収が下がった」は珍しくない

エンジニアの転職は年収が上がるもの、というイメージがある。実際、経済産業省の調査やdodaの転職データを見ても、IT人材の転職時年収は上昇傾向にある。しかし一方で、転職後に年収が下がったと感じている人も少なくない。

パーソルキャリアの調査によれば、ITエンジニアの転職者のうち約3割が年収ダウンを経験している。50万〜100万円単位で下がるケースもある。「エンジニアなら転職で上がるでしょ」と思い込んでいると、現実とのギャップに苦しむことになる。

この記事では、エンジニアが転職で年収が下がる典型的なパターンと、それを避けるための具体策を整理する。年収ダウンが必ずしも失敗ではないケースについても触れるので、転職を検討中の人は判断材料にしてほしい。

エンジニア転職で年収が下がる4つのパターン

年収が下がる転職には、いくつかの共通パターンがある。自分がどれに当てはまりそうか、事前に把握しておくだけで対策の精度が変わる。

パターン1:未経験領域への技術チェンジ

たとえばSIerでJavaを5年やっていた人が、Web系に転向してGoやTypeScriptの現場に入るケース。技術力はあっても、その言語やフレームワークでの実務経験がゼロなら、企業側は「ポテンシャル採用」として扱う。結果、前職の年収が550万でも、転職先では450万スタートということが起きる。

技術チェンジ自体は悪い判断ではない。ただ、年収が下がることを想定せずに動くと、入社後のモチベーションに直結する。

パターン2:スタートアップへの転職

社員数20〜50人規模のスタートアップは、裁量の大きさや技術的チャレンジに魅力がある。しかし現金報酬の水準は大手やメガベンチャーより低いことが多い。年収600万の人がスタートアップに移って480万になる、というのはよく聞く話だ。ストックオプション(SO)が付くケースもあるが、SOは上場しなければ紙切れ同然。確定した収入として計算するのは危険だ。

パターン3:年収交渉をしなかった・タイミングを逃した

内定が出た段階で提示された年収をそのまま受け入れてしまうケースも多い。特に初めての転職だと「内定を取り消されたくない」という心理が働いて、交渉自体を避けてしまう。しかし企業側は交渉される前提で少し低めに提示していることがある。言わなければ、その金額で確定する。年収交渉のタイミングや具体的な伝え方については年収交渉のタイミング解説記事で詳しく書いている。

パターン4:自分の市場価値を見誤った

「うちの会社では評価されてるから、外でも同じくらいの年収は出るだろう」という思い込みは危険だ。社内評価と市場評価は別物。たとえば、社内独自のフレームワークを使ったプロジェクトで高い評価を得ていても、市場で求められる技術スタックと合っていなければ、評価はリセットされる。転職前に転職ドラフトやスカウトサービスで自分の想定年収を確認しておくだけでも、このズレは防げる。

年収ダウンが「正解」になるケースもある

すべての年収ダウンが失敗というわけではない。長期的なキャリアROIで見ると、短期的な年収減が合理的な投資になるケースがある。

わかりやすいのは、技術習得を目的とした転職だ。たとえばインフラ運用の経験しかなかったエンジニアが、SREチームのある会社にポテンシャル採用で入り、年収が50万下がったとする。しかし2年後にSREとしての実務経験がつけば、市場価値は大幅に上がる。クラウドインフラ+SREの経験を持つエンジニアの相場は600〜800万が多いから、50万の一時的なダウンは十分回収できる。

もう一つは、労働環境の改善を重視するケース。年収が30万下がっても、残業が月40時間から月10時間に減れば、時間あたりの単価はむしろ上がっている。健康やプライベートの時間を考慮すれば、数字だけでは測れない価値がある。

ただし、こうした判断をするには「いくらまでなら下がっても許容できるか」の基準を事前に持っておく必要がある。何となく「成長できそうだから」で年収100万ダウンを受け入れると、生活が苦しくなって学習どころではなくなる。具体的には、固定費+最低限の貯蓄を賄える金額を下限として設定しておくのがいい。

年収ダウンを避けるための具体策

年収を下げずに転職するための方法は、テクニック以前に「情報を持っているかどうか」で決まる部分が大きい。

転職前に市場価値を数字で把握する

転職ドラフトやLAPRASに登録すると、企業からのスカウトに想定年収が付いてくる。この数字が、自分の市場価値のリアルな指標になる。実際に筆者の知人は、現職年収420万のところ、スカウトの想定年収が500〜580万で届いたことで、自分の相場を正確に把握できた。逆に、想定年収が現職と同水準かそれ以下なら、スキルの棚卸しや経歴書の見直しが先という判断もできる。実際にLAPRASで年収を150万上げた事例も参考になるはずだ。

複数チャネルで情報を集める

スカウト型だけ、エージェントだけ、求人サイトだけ。どれか一つに絞ると選択肢が狭くなり、結果的に「ここしかない」という状態で年収交渉力を失う。スカウト型で市場価値を測り、エージェントで非公開求人にアクセスし、求人サイトで自分から攻める。この三つを並行で回すのが、年収を下げないための基本戦略になる。年収アップ戦略の全体像は年収100万アップのロードマップ記事で体系的にまとめている。

内定を複数持った状態で比較する

交渉の最強カードは「他にも内定がある」という事実だ。1社しか内定がないと、提示された年収を受け入れるしかなくなる。2社以上あれば「A社はこの金額ですが、御社では上乗せ可能でしょうか」と自然に交渉できる。複数内定を持つためにも、応募数は最低でも5〜10社を目安にしておきたい。

現職の年収を正しく伝える

意外と見落としがちだが、転職先に伝える現職年収は「基本給+賞与+残業代+各種手当」の総額で伝えるべきだ。基本給だけで答えてしまうと、実際の年収より低い数字が基準になる。源泉徴収票ベースの金額を正確に把握しておこう。

年収が下がってしまった後のリカバリー方法

すでに転職して年収が下がってしまった場合、そこから巻き返す方法はある。大事なのは、下がった事実を引きずるのではなく、次のアクションに集中すること。

入社後の評価サイクルで巻き返す

多くの企業には半年〜1年ごとの評価改定がある。特にスタートアップや成長中の企業では、入社時の年収はあくまで「お試し価格」であり、実績を出せば半年で50万以上昇給するケースも珍しくない。入社直後から「次の評価面談で上げてもらう」ことを前提に動くのがいい。具体的には、定量で示せる成果(リリースした機能数、改善したレスポンスタイム、削減したバグ数など)を日頃から記録しておく。

副業やフリーランス案件で収入を補填する

本業の年収が下がった分を、副業で埋めるという選択肢もある。エンジニアの副業相場は時給3,000〜5,000円が多く、月に20時間稼働すれば6〜10万円の上乗せになる。年間で72〜120万円。年収が50万下がった分は十分カバーできる計算だ。クラウドソーシングよりも、知人経由やSNS経由の案件のほうが単価が高い傾向にある。

1〜2年後に再度転職する

「石の上にも三年」は転職市場では通用しない。新しい技術を身につけて1〜2年の実務経験を積めば、再び市場に出る準備は整う。特に技術チェンジのために年収を下げた人は、その技術での実務経験が1年以上あれば、次の転職では前職以上の年収を狙える可能性が高い。

まとめ

エンジニアの転職で年収が下がるのは、技術チェンジ、スタートアップ転職、交渉不足、市場価値の見誤りの4パターンが大半。事前に自分の市場価値を数字で把握し、複数の内定を比較できる状態を作ることで、年収ダウンのリスクは大幅に下げられる。

年収が下がること自体が失敗ではない。長期的なキャリアROIを見据えた判断であれば、短期の年収減は投資になる。ただし、許容ラインを決めずに「何となく」受け入れるのは避けたい。

年収アップの具体的な戦略を知りたい人は、エンジニアが年収100万アップするためのロードマップも合わせて読んでみてほしい。